本日ハ曇りのち、快晴ナリ

身体中に風を集めてJETなDOするLIFEなう

3人のオジ様のおかげで『ドローンが牛を追う』を見た北海道ワーケーション

 

変な意味ではないのだが、私はオジ様運がある。
十分変な意味である

 

「明日は牛を、ドローンで追うところが見られるよ」

 

こんな情報をオジ様②からうっかり仕入れてしまい、何がなんでも見ないといけない気持ちになった。

 

ドローンが牛を追うってよ、めちゃくちゃ気にならないか?

 

 

蒼弥(そうや)さんファンで都民な私は今、北北海道にいる。北海道の北側、そう、宗谷(そうや)地方だ。

 

3週間ほどの滞在予定だったが、目的を終え1ヶ月が経過した今も同じ拠点に居座り続け「サマパラまでに帰るか〜全滅したら北海道残るか~」ぐらいの心意気である。めちゃくちゃ過ごしやすく、何より湿気がなくて幸せ極まりない。代償としてHiHiJetsのライブDVD『五騎当千』の受け取りが少々遅れる。

 

北海道の北側・通称『道北』は、ぶっちゃけ観光客もなかなか訪れない地域だろうし、道民の方もフワッとした地理感な気がする。そんな若干辺鄙なところだからこそ都民には刺激的で、面白いことだらけで、おまけに地域がそうやで、電車はそうや本線で、1人てんやわんや大変なことになっている。

 

 

今回はその長期滞在中にうっかり起こった出来事の1つ。さまざまな偶然が重なって、人生で一度見るかどうかのシーンを見学できたお話です。3人のオジ様(以下おいたん)のおかげで、また一つ世界が開けてしまった。

 

おいたんを紹介する前に、魔のアイテムの話しをする必要がある。このアイテムがなかったら、そもそも何も起きていなかった。

 

 

1人の6日間を狂わせたJR乗り放題パス

北海道には『LOVE! 北海道パス』という末恐ろしいJR乗り放題6日間パスがある。このパスのおかげで私の6日間はだいぶクレイジーと化した。

(🌾追記)上限に達したため、7/8で発売を終了した

 

このチケット、心配になるぐらいお得なのである。

 

首都圏JRの感覚で行くと、JR北海道はちょいと高い。東京から47分で着く蘇我まで770円に対し、40分しか乗らない新千歳空港ー札幌間は1,150円だ。

もちろん北海道は豪雪・野生動物対策や、そもそも移動距離がハンパなかったりするので比べるものではないと思うが、あくまで参考程度に。

 

2022年6月このパスが12,000円で購入できた。これが恐ろしく激安なのだ。

 

旭川稚内が8,890円の世界ということを考えると、往復で既に十分な元が取れてしまうことがお分かりだろう。尚且つそれが、6日間も有効ときたもんだ。どうかしているだろJR北海道

なんかもうお得という言葉が失礼なほどにお得すぎて、稼いでいるような感覚にさえなる。

 

全道のJRが6日間乗り放題。気合と元気があれば、函館~札幌~旭川稚内~網走~帯広~富良野~美瑛~釧路~根室と、聞き馴染みのある北海道の駅全てに、このパス1枚で行くことが叶う。加えて特急の自由席にも乗車が可能で、期間中4回までなら指定席に乗ることも出来る。よく分からない。

 

因みに北海道の大きさを関東に当てはめるとこうなる。

JR北海道の車内誌より



この「LOVE!」の意味を重く受け止めなきゃいけないほどのヤバパスで、私は、ひたすら旭川稚内間の「宗谷本線」に乗って乗って乗りまくった。他の沿線・特急には一切浮気せず、ただただ宗谷本線に乗った。6日間のうち4回稚内に行くなどした。

 

滞在している名寄駅から稚内まで、特急で片道2時間45分かかる。それつまり東京ー金沢2時間半に勝る行程を、しかも日帰りで、数日間繰り返していた。

 

気づいた時には、名寄以北の特急駅6/7箇所を制覇していたので「じゃあ全部行くか」になった次第。その、最後に降り立った『豊富(とよとみ)』が、3人のおいたん物語はじまりの地だった。

 

クソでかスケール豊富

この宗谷本線祭りをしなければ私は、豊富という地名すら知らなかった。場所的には稚内の手前に位置するのでなかなか上のほーぉだ。

 

同じ道北民である『名寄市(旭川稚内のちょうど間)』の方に「豊富町には行くか?」聞いてみると「通過してしまう」と言っていた。わざわざ行く場所でもなく、辛うじて用事がある稚内まで行く時にはバイパスを利用するため豊富は通過してしまうらしい。

 

北海道のライフラインセイコーマートの牛乳がとよとみ牛乳なので、道民の方には馴染みが深いのかもしれない。

地域によって若干パッケージが異なる



 

また豊富温泉は成分が石油ということが有名で、アトピーの湯治のために全国から患者がいらっしゃるそうだ。本格的な湯治には3週間ほど通う必要があるようで、町の雰囲気に対してウィークリー宿が多いことが印象的だった。

 

これが豊富駅。

「ご自由にご乗車ください」初めて聞く言葉だ

 

駅前には厳重に保護されたガンダムのマンホールがある。

足の小指がすくむ角加減

 

さて電車旅の難点は、降りてからの足だ。

北海道の規模感で車無しの観光はなかなか厳しいが、豊富駅ではレンタサイクルを借りることができた。6月には心地よい。

 

ここの観光案内所はしっかりと運用されており、ママチャリから電動クロスバイクまで用意されていた。有料だが荷物も預かってくれるので、電車旅に協力的な町という印象を受けた。

 

スタッフの方も非常に親切で、急に仕事が入ってしまった私に電源とWi-Fiを恵んでくださった。その節は本当にありがとうございました。(観光時も常にPC同行のワーケーション)

 

あまり無駄な動きは出来ないチャリ道中なので(電車の本数がシビアだから)、目的地は決めていた。今回は豊富町のHPを見ていて一瞬で心を奪われたここに行く。

 

大規模草地だ。

 

まず何が驚きかって、「おおきぼそうち」と読むことだろう。

私は全然「だいきぼくさち」だと思い込んでいた。そうちはまだしも、おおきぼって何...という不安が未だにある。

 

観光案内所から大規模草地までは片道10km超。前日も別の駅でレンタサイクルしていたが、その時はギア無しママチャリで片道11km移動だったので「電動機付きなら余裕やんけ」というハート。順番を間違えなくて本当によかった。

人間ツラい方には戻れない

 

常に存在を感じながら、背丈ほどの草むら沿いのサイクリングロードを通ったり。

 

明らかに山に向かっていたり。

 

 

その時は来た。

 

 

なんだこの、想像をこえるスケール。




初めて東京ドームに入った感覚を思い出した。

アホほどに広い空間が広がっていて、人間は小さいのだと現実を突きつけられる感じ。写真では全然伝えきれないが、人間の視野もカメラの画角も不十分なほどに広い。一人旅なのに「うわ~」という声が大きめに漏れていた。

 

先ほどの急ぎの業務による15分ロスのストレスが一瞬で吹き飛ぶ。唖然とする大きさのものを前にして、自然と笑みが溢れていた。家族・友だちはもとより、私が知っている限りの全員をここに連れてきてこの規模感を共有したいと思った。

 

うわ〜でか〜やば〜と呟きながら丘の上で写真を撮っていると、もう1人チャリ族がこちらに向かっていることが分かった。見晴らしが良いため、遠くで自転車に乗っている人がばっちり見える。

今の私は自己肯定感MAXボンバーなので、至極明るいトーンで挨拶をした。この相手が、おいたん①だ。

2890字目でようやくおいたん登場

 

 

おいたん①電動自電車でゆっくり登場

そもそもここに人がいること自体が珍しい。そんな状況の中、一人で、首から一眼レフを下げ、全身撥水加工の格好をしている人が来た。

 

やはり、地元ガイドの方だった。

 

この日はお休みのため、コースの下見に来ていらっしゃった。そしてこの度独立されて、フリーのガイドをされるとのことだった。

 

なんだろうこの、最強の人材感。

 

 

まず私は、先ほどから気になっていた鳥の名前を聞いた。鳴き声も飛び方も特徴的で、ずっと「君の名は。」状態だった。

おいたん①、オオジシギという鳥だと教えてくた。ついでに生態まで教えてくれた。

 

思った通りおいたん①、最強の人材だ。

ガイドの範囲は宗谷地方を網羅しているとのことだったので、ここで私、蒼弥ファンをカミングアウトした。宗谷町の宗谷をただただ巡りたいことなどを伝えた。

 

話は通じた。

 

安くはないけれど「蒼弥が好きだから宗谷のアレコレを巡りたい」を叶えてくれる最強ガイドに出会ってしまった。今はまだ時期を定めている最中だが、私の宗谷遠征、恐ろしく充実したものになるぞ。

 

なんだかんだ15分ぐらい立ち話をしてバイバイした。と思ったらもう一回やって来て「ご自身も入った写真撮りましょうか?」とわざわざ戻ってきてくれた。

蒼弥を知っている人は話が早くて助かる

 

 

こうして私は、超偶然に最強ガイドおいたんと知り合いになったのであった。

 

しかもおいたん①、いま滞在しているシェアハウスのオーナーの知り合いだったと発覚するのは翌日のことだった。北海道、くそデカいけど超狭い。悪いことできない。

悪いことはどこでもしてはいけません

 

 

おいたん②わざわざ車で話しに来てくれる

写真撮影の時間を含めると、かれこれ30分ぐらいおいたん①と話していたのだろうか。おいたん①と別れた後、また別の丘から牛たちを眺めていると、ふと、私の近くで車が停まった。

 

近くで車が停まる、悪いことばかりが思い浮かぶ。

 

実は入っちゃいけないエリアだったのだろうか。「うちの牛を勝手に撮っただろ」と金銭を要求されるだろうか。誘拐だろうか。()

 

おいたん②、車を降りてゆっくり近づいて来た。

 

「もうこの時期に観光客とは早いね」

 

シーズン外れの観光客が珍しいらしく、ただただお話に来てくれただけだった。(ズコーッ)

 

牛が1600頭いること、この牛は借りている子たちだということ、最近デカいクマが出たこと、根室のクマ被害が大変なこと、そして、

 

「明日は牛を、ドローンで追い込むよ」との情報を教えていただいた。

 

 

なんですと?

空飛ぶドローンで? 牛を追い込む?

 

なにそれ、見たい。

私の少年心が一気に着火した。「絶対見に来ます」その強い気持ちで、開催される時間と場所を何度も確認した。

滞在先から130km離れているから念入りに

 

おいたん②とは10分ぐらい立ち話ししただろうか。「さっきあの丘の上で人と話してたでしょ?」と言われて肝が冷えた。

 

ヤダどこから見てたんですか視力こわすぎ。

 

 

明日もこの豊富に来ることが決まった。しかしここで次の問題が起こる。

LOVE!北海道パスが明日まで有効だったが、始発の電車でも間に合わないことが確定していた。

 

このまま今日は稚内に泊まれば間に合うなとか、豊富温泉に泊まる手もあるなとか、ガリレオ気分で様々なスケジュールを考察した。

 

しかし明日は木曜日。

一人、定休日の人を知っている。

お休みの日に片道130km、朝6時から車を出してほしいという、スーパーウルトラ無理めなお願いを超ダメ元で交渉してみた。

 

まさか、成立したのである。

 

明日はおいたん③の車で、またこの豊富に戻って来れることになった。

 

 

おいたん③朝6時半から車を出してくれる

ありがたさ半分、申し訳なさ半分で、本当に朝6時半に迎えに来てくれた。

奥さまは智担

 

普通に考えて休日の6時に集合は早いのに、おまけに片道2時間も運転させてしまう。わたし荒い女だなとか思いながら、しかし交渉してまでも見たいものがあったので、御礼の品物をたくさん用意する方向で意を決した。

誰が要注意人物

 

ドローンの牛追い。

 

相変わらず誰もいない状況で、本当に開催されるのか不安に包まれ、わざわざ車を出してもらったのに…という責任感に押しつぶされそうだったが、その時は来た。

 

広大すぎて私のレンズではスペック不足だが、本当にドローンで牛を追い込んでいた。

 

あの巨体が、小型ロボットに追われて走っていた。

約300頭ぐらいの牛を、ものの5分で、1匹も残らず柵の中に追い込んでしまった。

しかもドローンの操縦をしていたのは昨日のおいたん②だった。

 

私は今、様々な感動の波に押し寄せられている。その多方面からの波が打ち消し合って、もはや冷静な状態だった。

 

 

この運とタイミングの奇跡が分かるだろうか。

 

 

ドローンが牛を追う様子を見学できた。

おいたん③がたまたま定休日で、朝6時から130kmの距離に車を出してくれなかったら物理的に来ることが出来なかった。

おいたん②がわざわざ車を出して私に話しかけてくれなかったら、情報をもらうことはなかった。

おいたん①が休日にコースの下見をしなければ立ち話もしていないので、こんな長話勢をおいたん②は気に留めていなかったかもしれない。

豊富にレンタサイクルがなければ、私は大規模草地という場所すら知らなかった。そして天気が良かった。

北海道LOVE!パスがなければ「豊富 レンタサイクル」で検索することはなかった。

観光列車そうや号がなければ、北海道のこの地域に滞在していないので、おいたん③と出会うこともなかった。

この地域が宗谷地方じゃなければ「そうや」と名の付く電車が走るはずもなく、私はこの地域に来ていない。

そもそも猪狩蒼弥さんを応援する決意を決めていなければ「そうやと名のつくもの全て」に反応することはなかった。

 

挙げ出したらキリがないが、様々な縁のおかげで今回『ドローンの牛追い』を見ることが出来たというお話でした。つまり何が言いたいのかというと、

 

全ての事の発端である猪狩蒼弥さん、ジャニーズのアイドルになっていただき本当にありがとう。

着地点そこかよ(先週6/28が入所9周年の日だったから)

 
 
 
 
 
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滞在が長くなると様々なことが起こるなぁと。3人のおいたんたち、強すぎる思い出を本当にどうもありがとうございました!

 

ますますこの宗谷地域が好きだと感じた休日2日間だった。